国際専修コース:インタビュー
International Specialization Program Interview
-
-
国際専修コースを修了した英文学科生の先輩の体験談
英文学科 田中 鞠安さん(2021年度入学)
-
Q1 国際専修コースを専攻しようと思った理由は?
日本と世界を繋げたいという目標を持っており、そのためのステップとして、留学生と交流を行いたいと考えていました。また、日本にいながら英語力を向上させたいと考えていました。
Q2 国際専修コースを専攻したことで、あなたはどのように成長したと思いますか?
ふたつの重要な力が身につきました。それは「物事を幅広い視点からみる力」と「英語をツールとして使う能力」です。
-
-
-
物事を幅広い視点からみる力
このコースを履修する前は、例えば国際問題関連のニュースをテレビや新聞で知る際にどちらが被害者、あるいは加害者であるかを決めつけてしまいがちでした。しかし、実際に様々な国の人と関わり、話を聞くことのできる環境に身を置くことができたからこそ、それぞれの国の状況や歴史的な背景、宗教的な考え方の違いを知ることができ、物事を幅広い視点で学ぼうという姿勢を持つことができるようになりました。
幅広い学びを行うことで、今まで自分自身が見てきた世界が小さかったのかを知ることができるだけでなく、世界で起こっている国際問題の多くは絶対的な善や悪が存在していないことを3年間の学びを通して知ることができました。同志社大学の教育理念の一つに「国際主義」がありますが、英語力だけでなく、それに勝る幅広い視点から物事を見ることができる力がまちがいなく身に付いたと思っています。
英語をツールとして使う能力
3年間の授業を通して、数えきれない文字数のレポートを書く為、英語を速く、そして効率的に読み解く力を身につけられたと思います。英語で書かれた論文はわかりやすいものであれば、読みながらまとめる力を身につけることができます。そのため、粘り強く授業を受けていれば、嫌でも英語力は伸びます。
Q3 国際専修コースで特に印象に残った科目は?
最も印象に残った科目はMedia in Japanです。毎週、日本のメディア関連で10ページから50ページ程度の英語で書かれた論文を読み、この論文に関する質問を3つ考えることが、予習課題として課されました。授業では、課題に関連したディスカッションを行うだけでなく、毎週1名から3名が10分程度のプレゼンテーションもしました。
日本に住んでいると、日本の報道を私たちは常識であると考えがちですが、世界と比較して何が違うのかを教授だけでなく、クラスメートからも学ぶことができました。幅広いバックグラウンドを持ったクラスメート一人一人が自分の国での体験談などを交えながらメディア事情を知る先生となり、クラス全体でひとつの授業を作ろうという雰囲気があり、もっと学んでみたいと考えるようになっていきました。
実際に授業も先生のメディアに関するリサーチをもとに、世界中のテレビ事情を先生も含めて全員でディスカッションする機会があるなど、他の授業では決して叶えられない環境で日本のメディアを学ぶことができました。テレビなどといったマスメディアに特に関心を持つ私にとって、世界のメディア事情をこのような環境で学ぶことができたのは贅沢極まりなかったです!
Q4 国際専修コースで田中さんが受講した授業の受講生は、どのような学生たちでしたか?

私以外は、ほとんどがILA所属の海外出身の学生たちでした。欧米系5割(ヨーロッパ系、アメリカ系を含む)、アジア系(韓国系、中国系、マレー系を含む)4割、アフリカ系1割といった感じで、とてもグローバルな雰囲気でした。
授業内外で、クラスメートと関わる際は国籍関わらず全て英語でコミュニケーションを取ります。言語や国籍以外のバックグラウンドも様々で、兵役を経験している人や社会人経験のある人、40代から50代くらいの学生もいます。このようなクラスメートから話を聞く度に、彼らが持っている豊富な人生経験に驚かされることが多々ありました。
自分自身の軸を明確に持っている人が多いのも特徴です。その為、ディスカッションは意見の衝突が度々発生し、かなり盛り上がります。また、それぞれが違う文化に属しているため、多様な価値観に触れることができます。(決して喧嘩しているわけではないので、授業が終わればみんな仲良くしています!!) クラスメートは英語をツールであるという認識を持っている人たちがほとんどです。その為、全員が英語ができて当然という流れで授業が進んでいきます。「英語を学びにいくところ」というよりは、英語を使って「国際教養を学ぶところ」です。
また、純粋に勉強をしたいと考えている人たちが多い傾向があります。国籍関わらずこのようなクラスメートと関われる環境にいることで、自分自身も頑張ろうと思えるようになります!
Q5 国際専修コースを履修するにあたり、大変だったこと、努力したこと、単位を取得するための勉強法など教えてください。
大変だったことは、なんといっても予習と課題です。事前資料を熟読しなければ、ディスカッションでは蚊帳の外に置かれてしまいます。たとえば、私の失敗談として、ある授業で、マルクス主義をテーマにした論文を宿題で読み、次の週に「マルクス主義」をテーマにしたディスカッションが行われるというものがありました。論文を授業の直前に軽く読んだだけで参加してしまった私は、ディスカッション中全く何を言っているのかが分からず、その日の授業内容を全く理解することができなかったです。
特に大変な授業になると、毎週A4用紙4枚分程度のレポートの提出が求められるのに加え、期末レポートもA4用紙10枚程度のものが求められる場合があります。その為、国際専修コース以外の授業との両立が難しくなることがあります。そこで、電車の隙間時間を有効に活用することに取り組みました。常に何時から何時までは副専攻の課題をするなど、時間に区切りをつけるよう取り組みました。
受け身の姿勢でいると友人ができにくいです。言語よりも相手の文化を理解していないと仲良くなることが難しいです。相手の文化を尊重する姿勢を見せ、少々無理矢理でも会話に参加する姿勢を見せることで友人が作りやすくなります。また、周りに積極的に声をかけ、時にはランチに誘ったりすることで仲良くなることができました。
授業はなんとか聞き取れても、スラングがたくさん入った、早口の英語でディスカッションが行われると全くついていけなくなるときもあります。そこで、アカデミックな英語だけでなく、授業中でもわからないスラングがあれば、インターネットですぐに検索し、記録することで少しずつ覚えていきました。国際専修コースの授業が始まった当初は、授業中にそもそも何の宿題をするべきかが聞き取れず、事務室に泣きついたこともありました。自分一人で抱え込まず、そんな時も事務室やクラスメート、先生に頼るよう心がけていました。先生やクラスメート、事務室の方々も困っているというと、全員助けてくれました。そのおかげで何とか国際専修コースを修了することができました。スタートの英語力が低くとも、粘り強く積極的に行動することで、修了できるコースだと思います。
-
-
Q6 国際専修コースを専攻したいと考えている在学生や受験生へのメッセージをお願いします。
ひとことでいいますと、「大変」な副専攻です。私も含め、特に日本生まれ日本育ちの学生からすると、海外の文化や言語、など、何もわからない状態からスタートすると思います。私も当初は後悔しましたし、授業やクラスメートが話していることが分からず泣きながら課題を行うこともありました。
しかし、そんな時でも助けてくれる先生、事務室の方々、そして共に大変な環境でも切磋琢磨してきた生徒がいたからこそ私は今修了者の声を書くことができています。そして、そんな恵まれた学習環境で学ぶ事ができて本当に幸せであったと日々噛み締めています。
また、グローバルな人材になるためには海外に行くしかないと考えがちですが、同志社大学には、海外に行かずとも海外大学のような授業を受けられる環境が整っています。
私は英文学科生として英文学科が開講している授業を受けながら、国際専修コースを履修しましたが、国際専修コースを履修しているからこそ視野の選択肢が大きくなり、英文学科でも文学をさらに分析するのに役立ったと考えています。ぜひ在学生や受験生の方には国際専修コースの扉を叩いてほしいと思います!!
田中さんが国際専修コースで履修し単位取得した科目(全11科目)
2年次 | 3年次 | 4年次 | |
---|---|---|---|
春学期 |
|
|
|
秋学期 |
|
|
|
田中さんの2年次秋学期の時間割表
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
---|---|---|---|---|---|
1限 | Introduction to the Arts (国際専修コース) |
教育制度と学校経営 | |||
2限 | Introduction to Media Studies (国際専修コース) |
教育課程論 | Oral Communication II | 米文学史II | |
3限 | 基礎演習II | Reading B II | Introduction to Japanese Society in the Global Context | ||
4限 | Writing B II | 西洋文化史概説 (2) | |||
5限 | 英語科教育法II |